ZIPC V10とZIPC Feature V1.2を使って派生製品の開発を計画的に進めるための手順を具体的に説明します。
差分開発の概念については、→ZIPC V10新機能ガイド モデルベース差分開発 編をご参照ください。
ZIPC+ZIPC Feature連携のメリットは?
ZIPC FeatureとZIPCの連携機能を活用すれば、派生製品の開発を計画的に進め、高い品質の製品を効率よく開発することができます。
その方法とは?
1.フィーチャ指向分析 (ZIPC Feature)
2.シンボルセットのエクスポート (ZIPC Feature)
3.シンボルセットのインポート (ZIPC)
4.派生製品の設計とシンボル条件の設定 (ZIPC)
5.シンボルセットのエクスポート (ZIPC)
6.プロダクトのインポート (ZIPC Feature)
7.フィーチャ・モデルのリファイン (ZIPC Feature)
8.フィーチャ・モデルとZIPCプロジェクトのリンク(ZIPC Feature)
9.派生製品間の比較と差分試験 (ZIPC Feature)
ご利用前に体感できます!
より効率的に派生製品を開発するには、適切なフィーチャ分析と、STMの部品化のための手法が必要です。弊社では計画的な設計の部品化のために必要な、フィーチャ指向分析から状態遷移表設計までの詳細な手順を説明するセミナを開催しています。ぜひご利用ください。→セミナ詳細


計画的な設計の部品化のためには、十分な要求分析が必要です。そのためにZIPC Featureを使ってフィーチャ・モデルとプロダクト・モデルを定義してください。既存資産がある場合には、その資産についてモデリングします。


要求分析の成果を設計に活かすためには
ZIPC Featureのプロダクト・モデルを
ZIPCに取り込みます。
それにはまず
ZIPC Featureで定義したプロダクト・モデルからシンボルセットを.csv形式でエクスポートしてください。プロジェクト・エクスプローラでプロダクト・モデルを選択してコンテキストメニューから「シンボルセットcsvのエクスポート」を実行します。
シンボルセットとは
シンボルセットはZIPC V10 で搭載された新機能です。C言語の#defineの列挙に相当し、定義されたシンボルに従って設計を切り分けるための仕組みです。


次にZIPC上でZIPC Featureからエクスポートしたシンボルセットをインポートします。
「シンボルセットの登録」ボタンを押し、
表示されるダイアログで「シンボルセットのインポート」を押して、インポートするcsvファイルを指定してください。
開発中にフィーチャ・モデルやプロダクト・モデルの変更があった場合には、1〜3の手順を再度実施してください。


シンボル条件を設定しながら派生製品の設計を行います。
ZIPC V10 ではシンボルセットを切り替えることにより、シミュレーションやビルド時に有効になる設計を切り分けることができます。
例えば、シンボルセット「タイプA」を適用すると、
プロジェクトツリーは次のようになり、
シンボルセット「タイプB」を適用すると、
プロジェクトツリーは次のようになります。
設計書の部分の黒く表示されたstmと灰色で表示されたstmの組み合わせが変化していることに注意してください。黒く表示されたstmは指定されたシンボルセットを適用した際に有効なもので、灰色で表示されたstmは無効なものです。シミュレーションやビルド時には黒く表示されたstmだけが適用されます。
stmが適用される条件を設定するには、設定対象のstmを選択し、コンテキストメニューから「フェーズ、シンボル条件設定…」を選択してください。
次のダイアログが表示されますので、シンボル条件を入力します。シンボル条件には &, |, !, () を使った論理式が記述できます。
もし、設計中に新しいシンボルを導入する必要が生じた際にはZIPC上で追加することもできます。シンボルセットのインポートでも使用した「シンボルセットの登録」ダイアログの「定義シンボル」欄にカンマ区切りで入力してください。
ここで一つ注意すべきことがあります。設計中に導入した新しいシンボルはフィーチャ・モデルに反映させる必要があるのです。要求が無いのに設計を切り分けることはまず無いからです。設計中に新しいシンボルの導入が必要になったということは、フィーチャ・モデルの不備に気付いたということなのです。
これはめずらしいことではありません。このような場合に備え、ZIPC上で変更したシンボルセットをZIPC Featureに取り込む機能が用意されています。次の手順を実行してください。


設計中に追加された新しいシンボルをフィーチャ・モデルに反映させるには、まずZIPCからシンボルセットをエクスポートします。
ここでも「シンボルセットの登録」ダイアログを使います。このダイアログで「シンボルセットのエクスポート」を押すとダイアログで選択中のシンボルセットがcsvファイルとしてエクスポートできます。


次にZIPC FeatureでZIPCからエクスポートしたシンボルセットをインポートします。
プロジェクト・エクスプローラ上でインポート対象のフィーチャ・モデルを選択し、コンテキストメニューから「プロダクトのインポート」を実行してください。


プロダクトのインポート時に対応するフィーチャの無いシンボルに対してエラーが出力されますので、それを参考にフィーチャ・モデルを修正してください。
この作業でZIPCのシンボルセットとプロダクト・モデルを同期させます。
自動的にフィーチャ・モデルに反映できない点に注意してください。フィーチャ・モデルの木構造は単純な条件の列挙ではありません。フィーチャ・モデルに反映するには一度、木構造の目的〜手段の関係を分析する必要があります。
実はこの分析を踏まえることで、設計の観点では気付かなかった場合分けの観点に気付く場合があります。ですから、より計画的な設計の切り分けを求めるならば、設計者は新しいシンボルの導入に気付いた時点で、一度フィーチャ・モデルに立ち返る必要があります。
しかしながら、プロジェクトの状態によっては、その余裕が無い場合もしばしばあるでしょう。そのような場合、ここまで説明した方法で、シンボルセットの変更をプロダクト・モデルに反映してください。設計時に気付かなかった場合分けの観点への対応は後日あらためて検討することにしましょう。


フィーチャ・モデルと、フィーチャ・モデルに基づいて設計したZIPCプロジェクトをリンクしましょう。
ZIPC Feature上でフィーチャ・モデルをエディタで開き、プロパティ・ビューに表示される「ZPFの登録」ボタンを押して、リンクするZIPCプロジェクトファイルを指定してください。
フィーチャ・モデルにリンクしたZIPCプロジェクトファイルは、プロパティ・ビュー上でzpfプロパティをダブルクリックすることでZIPCを立ち上げて開くことができます。


モレ・ヌケの無い試験のためには差分を正確に把握することが必要です。次の手順で製品間の設計を比較表示して、差分試験に役立ててください。
ZIPC Featureのプロジェクト・エクスプローラ上で、比較したいプロダクト・モデルを2つ選んで、コンテキスト・メニューから「ZIPCプロジェクトの比較」を実行してください。
次のダイアログで「共通プロジェクト」の横にある「比較」ボタンを押します。「共通プロジェクト」には前の手順でフィーチャ・モデルとリンクしたZIPCのプロジェクトが表示されます。
差分比較結果一覧にプロジェクトに含まれるファイル間の差分の概要が一覧表示されます。同じプロジェクトどうしを比較しているのですが、適用するプロダクト・モデル=シンボルセットが異なるために、有効になる部分が変化して差分が生じています。
ここでは、一行目に表示された状態遷移表間の差分を見てみます。それには、リストの一行目をダブルクリックしてください。
次の様にSTM内の詳細な差分が表示されます。同時にZIPCも起動され、比較対象のSTMを表示しています。試しに黄色になっている行を順番にクリックしてみてください。
選択した行に対応するセルが緑色に着色され、状態遷移表上で差分を確認できます。
この手順ですべての差分を確認して、モレ・ヌケ無く派生製品を試験してください。